2019年1月18日金曜日

ミニマリズムとこんまりメソッドとその後ろのアンチコンシューマリズム

近藤麻理恵さんのNetflixのシリーズが賛否両論ではあるが話題になってる。


これはとてもすごいことだと思う。日本人がアメリカ人のライフスタイルに影響を与えるようなコンセプトを紹介して、一定の影響力を持つなんてことが過去にあっただろうか。禅、日本式の武道、トヨタのカイゼン、など過去にそして今も影響力を持つコンセプトは存在した。でも近藤さんのケースのメジャー具合はなんだかそれらを超えている部分があるように思う。

twitter上で本好きな人たちから、かなりの反発をくらってしまって、大変だと思うけど、近藤さんをサポートする人も多い。話題になったことで逆にシリーズの認知度も上がり、逆に宣伝効果としては嬉しい限りだろう。

近藤さんのメソッドに限らず、ミニマリズムも流行っている。ネットフリックスでも見れるドキュメンタリー、”ミニマリズム”の撮影・編集を務めたMatt D'Avellaさんの’Ground Up Show’ もそれなりに人気だ。

ミニマリズム、Tiny house movement、パーソナルファイナンス界隈のFI(Financial Independence), そしてFire(Financial Independence Retire Early) ときた、北米でのこれらのムーブメントはその土台に、大きな価値観の変化が根ざしているように思える。

それは何かと言うと、コンシューマリズムに対するアンチテーゼである。
つまり物をたくさん持つことがとてもかっこ悪いと言うこと、あるいは物に対する選択を意図的にできないと言うことは、この社会に溢れかえる企業による様々なマーケティングアプローチの奴隷にすぎない、と言うような価値観である。

今の先進国で育った人たちは、戦前・戦後を生きた世代や団塊の世代に比較して貧しさを知らない。食べる物にも困るような貧しさを多くの人が経験していない(当然、極度の貧困はどの国にも存在しうるが、それがマジョリティかどうかと言う話しだ)。この状況はは企業が作り出した、大量生産、大量消費の社会モデルが可能にしてきたことだ。

ミレニアム世代を含む社会の若手が親や前の世代にとって当たり前であったり、評価されていたことを否定することは感情として至極自然なことだ。

そしてこれはCPGメーカーにとって、いや、あらゆる企業にとって無視することのできない大きな消費者トレンドであることは間違いない。