2013年10月26日土曜日

アメリカの消費者はこの20年でその購買行動をどう変化させてきたのか

今週のマッキンゼーのニュースレターが面白かったので紹介してみたい。「How retailers can keep up with consumers; The retail industry is more dynamic than ever. US retailers must evolve to succeed in the next decade.」というタイトル。

下記の図にグラフにあるように、過去20年間の結果はWal-Martの一人勝ち具合と、それ以外の会社の入れ替わり、また10位にAmazon.comが入ってくるという不気味な感じが一目で分かる。


これから5年の小売業界の変化はこの100年に起きたものよりも大きい、という人たちもいる。では、そういう変化の中で、生き残りのために小売業はどのように自らを変化させていくべきだと彼らは分析しているのだろうか。


2013年9月17日火曜日

戦略論からみた中国の政策は自滅的である

 自滅する中国/エドワード・ルトワック (著), 奥山 真司 (翻訳) 

 戦略を勉強するにあたって「地政学」という学問は非常に多くの示唆を与えてくれる。歴史を振り返ると、人間という生き物はかくも変わらないものか、という思いを新たにする。恐怖、希望、同情、共感、好意、傲慢さ、嫉妬など人間の感情はしごく
普遍的なもので、それが故に私たちは往々にして真実を見ることができないのだと思う。

エドワード・ルトワックは戦略は政治よりも強い、という。中国の覇権を求める最近の行動が周辺国に対して脅威を感じさせ、団結させる効果をもたらすことで相対的に中国の力をそいでいるとし、これを彼は戦略の「逆説的論理」と呼ぶ。



2013年9月4日水曜日

飲食店の売上貢献度は立地が7割、中身が3割

最新版 これが「繁盛立地」だ! ―人が集まる、だから儲かる/林原 安徳

非常に読み応えのある本。店舗を探している人は読むと学べることが多いはず。元日本マクドナルド出店調査部チーフの筆者が体系的に立地に関する考え方を教えてくれる。どんなことにも論理的な道筋をたてて検討することで見えてくることがある。優れた直感やクリエイティビティは突然訪れるものではなく、論理的な考察の先にやっと到達できるものだと思う。自分の専門について専門外の人の思いつきを聞いて「うーん」と思った経験がある人も多いはずだ。素人の創造的なアイディアに価値はなく、玄人の素人発想からくるアイディアにこそ価値を生み出す創造性が含まれている。だから、飲食業素人である私は、地道にこういう本を読んで勉強することにしている。


この本を読んだおかげで、何気ない町並みを違う視点で捉えることができるようになった。サイゼリアの正垣さんがおいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ」に他社の店舗の視察について

実際に店を視察するときは、「商品」「設備」「作業」「立地」の4分野について、それぞれ100項目ずつ書き出していくことをお勧めする。(P41)」
と書かれていたが、この本にあるような体系的な知識を持つ事がチェック項目作りの前提となるだろう。

2013年8月24日土曜日

日本語が亡びるとき/水村 美苗

 日本語が亡びるとき/水村 美苗

最近、語学学習のことを考えていて以前に読んだこの本を再度読んでいる。以下転載。 

帰国子女で、自身も小説家であるこの人は、日本文学がとても好きなのだなあ。その愛情故に、日本語というものを介して成熟してきた日本近代文学が、将来英語という普遍語の台頭の前に、その魅力を維持する十分な使用頻度を人々の間に持つ事をできずに衰退していくであろうことを嘆いている。言葉は修辞学的機能をもつものなので、翻訳された文学は、もはや別ものだとする。たとえば漱石のよさは日本語で読まないとわからない。


2013年8月14日水曜日

日系飲食店のSNSを活用した海外展開事例- Toronto, Kinton

トロントではラーメンが大流行りである。お寿司屋さんであったはずのお店が「ラーメン始めました」みたいなサインを出していることも珍しくない。ラーメンだけでなく日本食自体がほんとに流行ってるな、という感じだ。トロントのラーメン屋さんはいくつかあるのだが、その中の一つKintonを事例に海外に日本食が出て行く際のSNSの活用について考えてみたい。

Kintonは2013年8月12日現在でFacebookの「いいね!」が4,815、twitterのフォロワーが5,388となっている。トロントには同等クラスのクオリティのラーメン屋さんとして認識されているお店が他にも数件あるのだが、競合と比較してみても圧倒的なSNS上での注目度の高さとエンゲージメントの高さを誇る。Kinton Quest というFacebookアプリもあるみたいだが、最近はやる人もあまりいないんじゃないかと思われるので、 Kintonのfacebook上で展開されているイベントとしてKinton Bowlerに注目してみたい。



2013年8月10日土曜日

飲食店の目標来客数のKPI設定と来客増加施策

「とりあえず、生!」が儲かる理由 飲食店の「不思議な算数」/江間 正和

飲食業の事業構造を理解する上でランチは儲からない 飲み放題は儲かる 飲食店の「不思議な算数」がとても良かったので、これも読んでみたけれど学び感は少し落ちた。ただ、むしろ飲食業に携わる人というより一般の人がどうやってよいお店を見つけるのか、という観点で読むとすごく勉強になるのではないか、と思った。

来店客数の見積もりをどう考え、その増加のためにどんな施策を打つのか、という点については前回の本よりもきちんと書いてあってよい洞察をもらえたので、そこの部分についてメモをしたいと思う。


2013年8月9日金曜日

飲食業などの従来型の産業とハイテク及びネット産業の本質的な違いは何か

起業に関する記事と言えば、ネット界隈の記事しか見ない昨今である。参考になるので定期的に読んではいるが、飲食などの従来の産業とネットの違いは何だろう、ということを考えていた。産業が違っても共通に通用することと、そうでないことを見極める必要があるからだ。これを「独占的レント」という概念を使って説明してみたい。

クルーグマンがProfit without productionという記事を書いていて、下記のように言っている。
The most significant answer, I’d suggest, is the growing importance of monopoly rents: profits that don’t represent returns on investment, but instead reflect the value of market dominance. Sometimes that dominance seems deserved, sometimes not; but, either way, the growing importance of rents is producing a new disconnect between profits and production and may be a factor prolonging the slump.(最も意味のある答えは、ますます重要になってくる「独占的レント」である、ということだ。利益は投資に対するリターンを表しているのではなく、市場における占有度を反映している。その独占は相応の価値のある場合もあれば、そうでないときもあるが、どちらにしても重要度を増す独占的レント(*1)が「利益」と「製造」の間に新しい断絶を生み出しており、それが長引くスランプの原因になっていることも考えられる。)