アメリカの消費者はこの20年でその購買行動をどう変化させてきたのか

今週のマッキンゼーのニュースレターが面白かったので紹介してみたい。「How retailers can keep up with consumers; The retail industry is more dynamic than ever. US retailers must evolve to succeed in the next decade.」というタイトル。

下記の図にグラフにあるように、過去２０年間の結果はWal-Martの一人勝ち具合と、それ以外の会社の入れ替わり、また10位にAmazon.comが入ってくるという不気味な感じが一目で分かる。

これから５年の小売業界の変化はこの１００年に起きたものよりも大きい、という人たちもいる。では、そういう変化の中で、生き残りのために小売業はどのように自らを変化させていくべきだと彼らは分析しているのだろうか。

取るべき対策として５つが上げられている。

1. Expand revenue and profit pools

2. Create a road map to cut costs

3. Reduce—and reconfigure—the real-estate portfolio

4. Get serious about using data and analytics for decision making

5. Rethink assortments and product offerings

上記のうち、1,2,4,5,についてはあまり目新しい感じがしない（ECの企業が当たり前にやっているようなことにすぎない）ので、3.について触れたい。

As purchases migrate to digital channels, most retailers will need less physical selling space in stores. Although some formats (such as groceries) will be relatively unaffected, others (such as consumer electronics and toys) will be hit profoundly and could require square-footage reductions of half or more to deliver a compelling customer experience and economics. Retailers are already seeing this phenomenon, and a real-estate rebalancing is under way as they reassess what should be sold through physical space; in 2012 alone, major chains shuttered approximately 4,500 stores in the United States, and newly opened stores are some 25 percent smaller than the average size of existing ones.（人々の購買行動がデジタルなチャネルに移っていくにしたがって、ほとんどの小売業者は店舗面積をあまり必要としなくなるだろう。食料雑貨のようないくつかの業態にはあまり影響がないかも知れないが、その他の業態（電化製品やおもちゃなど）については大きな影響が予想され、顧客の購買体験やコストに対する要求に応えるには半分かそれ以上の削減が必要となることも考えられる。小売業界はすでにこの傾向を捉えており、店舗面積当たりの売上に対する不動産の再調整も起きている。2012年でみれば、大手小売りチェーンはおおよそ4500店舗をアメリカにおいて閉鎖したし、新しくオープンした店舗についても従来店舗よりも25%は小さくなっている。）

ブリック＆モルタルの小売店鋪の面積は半分以上がいらなくなるのではないか、という予想である。

One indication of how we expect the role of stores to be transformed is evident in the fact that 40 percent of Best Buy’s and more than 50 percent of Wal-Mart’s online sales already are picked up in stores. （店舗の役割がどのように変わっていくかということの一つの目安は、Best Buyの40%およびWal-Martの50%のオンラインによるセールスは店舗によるピックアップによってなされている）

上記は、よく理解できる。日本に比べて北米は「宅急便」的な物流サービスが不便なので、店舗でピックアップする方が早かったり、面倒でなかったりする。

どちらにしても、北米市場の店舗のあり方の変化については今後も注目していきたい。