2013年5月31日金曜日

飢餓は遠い国の話ではないかもしれない。

食の終焉/ポール・ロバーツ

この本は現在の「食のシステム」が抱える問題を網羅的に説明してくれる。私たちがスーパーで目にする大量の食料やコンビニに陳列され、時間がくると廃棄される食料がどのような仕組みで生産、調達され、その国境を超えた大きな「食のシステム」がどの程度の安定性を持ったものなのかを教えてくれる。食についての「フラット化する世界」みたいな本、とでも言えるかもしれない。


2013年5月18日土曜日

愛を新鮮な状態に保つにはどうしたらいいのか

 フロー体験 喜びの現象学/ M. チクセントミハイ


この本の中での恋愛についての記述が本当にそうだなー、と思ったのでメモ。

 昔、某人材紹介会社の社長さんが、アメリカ人(男性)と日本人(女性)のカップルについてよくあるケース、として次のようなケースをあげていた。


例えば男性側が弁護士の卵としてがんばっている。専業主婦の奥さんは彼を支えるために家事と子育てに勤しむ。数年たつと夫側は弁護士としてキャリアを詰み、年収もあがる。奥さんは基本的には家にいるので、社会的に成長することはあまりない。そしてそのうち、夫の方に恋人ができ、離婚することになる。


このことが起きる理由の一つとしてチクセント・ミハイの次のように説明が想起される。

2013年5月9日木曜日

何かを成し遂げるにはパワー(権力)が必要。

影響力のマネジメント /ジェフリー・フェファー

この本は就活生に薦めたい。会社に入る前に読んだら良い本だと思う。もしくは、新入社員や入社2〜3年目までの若手の人たち。あなたが大企業に入ったとして、何十年後かにその会社の社長になる確率は最初の配属部署によって影響されるだろうか?


答えはイエス、である。そしてこのことはしばらく社会人をしていれば肌で感じて理解をすることになる。当然、これだけが影響する要素ではないが、一定の影響を与えることは確実だろう。また、環境変化により一つの会社の中で儲かっていた事業部(政治的パワーが高い)が転落し、他の事業部が台頭することも現在では珍しくない。その場合、パワーの源泉はそこに移る。



人間はどういう時に最も生産的で幸せなのか。

チクセント・ミハイのFlowを機会があって読んでみた。半分仕事で読んだのだけれど、今読んで良かった。Flow理論は他の本で紹介されているのを何度も見かけたのでイメージはあったのだけれど、読んでみると読むべき本だと思えた。

フロー体験 喜びの現象学/ M. チクセントミハイ


この本は、どのようにFlow状態に持っていけばいいのか、というような方法論については述べられていない。述べられているのは「Flowとはどのような状態か」「Flow状態にある人の特徴はなにか」ということだ。その上でどうそれを生活に生かすかどうかは読者にゆだねられている。幸せとは何か、ということを考える人は必ず読んだ方がいいだろう。なぜなら、そうやって考えている間は決して幸せになったりはしないからだ。



2013年5月2日木曜日

ジェフ・ベゾスはウェブサービスの事業家としては最も学ぶことが多い人な気がする。

ワンクリック―ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛/リチャード・ブラント

ジェス・ベゾスはそのメディア露出の少なさから過小評価されている、あるいはあまりすごさが伝わっていない事業家である。個人的には彼の事業展開はネットの世界では最も学ぶことが多い人だと思う。どのような起業家の伝記を読んでも、成功の最も大きな要因はタイミングと運なのではないかと思うことが多い。そんな中でベゾスだけが意図の戦略性の高さと実行力で群を抜いているように思える。