2014年1月3日金曜日

アマゾンの凄まじいPR戦略-悪評さえも戦略通り

Amazonz関連書籍では最新のものであるだろう下記の本の作者、ブラッド・ストーンのパネルディスカッションの映像がYoutubeにアップされていた。みていてPR戦略について思うところがあったのでご紹介。

ジェフ・ベゾス 果てなき野望―アマゾンを創った無敵の奇才経営者/ブラッド・ストーン


ジェフ・ベゾスはきっと徹底的なリアリストであると同時にひどい偏執狂でもあるのだと思う。ただ、ビジネス展開から感じる彼のビジョンのスケールの大きさは、スティーブジョブズも含めた他のテック系のビジネスリーダーたちを凌駕している。同時に「うまいなー」と思わせてくれることが多い。今回はPRについて。





上の動画の中でファシリテーターが(17:52ぐらいから )「Amazonは従業員にあまり多くの福利厚生を与えないことで知られてますよね。Googleとは対照的に。」みたいなことを聞く場面があるのだが、それに対する回答がこうなっている。


「ジェフは早い時期に(Walmartの)サム ウォルトンの自伝を読んだんですよね。そしてすぐにディスカウントの小売という業態がどういうものか理解をした。ディスカウントの小売とは、そしてアマゾンはまさにそこに入るわけでが(もちろん他にも事業はありますが)彼らは消費者に、最低価格でモノを売りたいわけです。彼らはコストの低い構造で組織化されています。オペレーションの中で1円も無駄にしたくない。だからこそ競合よりも安く売ることができる。だからスケールすることが大事だし、他のディスカウントの小売の会社も同じような価値観を持っているわけです。ジェフはその価値観をWalmartから学び移植したわけです。」


ストーンがアマゾンの役員と食事をするときも、お金はアマゾンからは出ないし、アマゾンの従業員の給与は業界水準よりも低い。で、その低い給与や従業員への過酷な要求がメディアにリークされて叩かれたりするようだが、当のアマゾンの経営陣は意に介していない。むしろその「ケチな」コーポレイトカルチャーを誇りに思っている。そして顧客に対しても「だからアマゾンであなたはどこよりも安く買えますよ。顧客をもっとも大事にしていますよ」というメッセージングはアマゾンが戦略的に狙っている「あらゆるものを安く売る会社」というアイデンティティと整合する。

この戦略と組織文化、引いてはその先のPR活動までの一貫した整合性は見事だ。

今日のBusiness insiderの下記の記事でも同じようなことを言っている。
http://www.businessinsider.com/amazons-pr-2014-1#ixzz2pGg7484Y
This last point is a good one we've never thought of. Even the negative stories about working conditions feed a narrative that Amazon is ruthlessly trying to get prices lower for you.Basically, Amazon's PR strategy is so good that even when the news is bad, the news is good for Amazon.

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